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コラム

プロデューサーレター ~「Shadowverse EVOLVE」発売に寄せて~

皆さんこんにちは。「Shadowverse」及び「Shadowverse EVOLVE」のプロデューサー木村です。

来たる2022年4月28日、ついに「Shadowverse EVOLVE」が発売となります。

 


このレターでは「Shadowverse EVOLVE」発売に寄せてと題し、皆さんに「Shadowverse EVOLVE」(以下「EVOLVE」)がどのような経緯で開発されたのかを含め、私や開発チームが考えていることをお伝えできればと考えています。



EVOLVEへの想い

6年間、私たちはデジタルカードゲームである「Shadowverse」を運営してきました。運営当初からアナログカードゲームとデジタルカードゲームは互いに違う部分が多いと認識しその考えに基づき開発・運営を行ってきました。

この違いを明確に意識して開発をスタートしましたが現在では当初よりデジタルカードゲームとアナログカードゲームではより多くの違いがあると感じています。


例えばプレイスタイル。デジタルでは手軽に離れた知らない相手と対戦できるのでそれが基本になるのに対しアナログでは対面で知っている相手と会話しながら対戦することが多くなります。

他にもデジタルでは一定期間に対する対戦回数がアナログに比べ大幅に多い等あげればきりがないほどです。

このような違いから「Shadowverse」をアナログカードゲームに最適化すればデジタルの「Shadowverse」とは異なる楽しさを持つアナログならではの「Shadowverse」が作れるのではと考えていました。

少し話はそれますが、「Shadowverse」を開発して最も嬉しい誤算はこのゲームによって多くの”繋がり”が生まれたことでした。

基本的にはオンラインで見知らぬ人と対戦するゲームである「Shadowverse」でしたが、SNSなどを通じて多くのチームや友人関係が生まれ、その繋がりが個人の枠を超えて企業や地方の団体へと広がっていきました。

ゲームによって人々の生活を豊かにしたいという思いはゲーム開発者が誰しも抱く共通の理想であり、他人との繋がりは単にゲームをプレイするだけでは得られない価値をもっていると思います。

そんな理想を叶えられるという希望は私たちにとって非常に幸せなことです。デジタルでこれが成しえるのならば直接のコミュニケ―ションを必須とするアナログでも同様にあらたな繋がりが生まれ、それぞれのコミュニティが重なリ合うことで掛け算の繋がりが生まれるはず。そういった想いが、アナログカードでの「Shadowverse」を作りたかった大きな理由です。

その他、デジタルではできないリアルでのカードコレクションが可能になるというのも理由の一つです。アナログカードゲームはパック開封も楽しみの一つなので、開封したときに一目で当たりだと分かるようにカード表面の加工にもこだわってコレクション性を高めました。「Shadowverse」のイラストは背景も含めかなり描き込まれているので、加工においては派手さよりもイラストがさらに映えるように意識しました。

また「Shadowverse」というIPにとっても「Shadowverse」を文化にするという目標を掲げこれまで運営を行っていますが、「Shadowverse」の世界に入る間口の両輪の一つとなるべく、もう一つの「Shadowverse」としての開発を行いました。

 

「絶対に面白い」を目指して

こういった想いから開発が始まったアナログカード版「Shadowverse」ですが、幸運なことに今回リードゲームデザイナーを務める八十岡さんを始めとしてアナログカードゲーム制作者として実績がある人が近くに多くいました。

そのようなメンバーとチームを組んでの開発にあたっての最大の問題はどこまで「Shadowverse」の要素を残すかでした。

「Shadowverse」を「Shadowverse」としているものは果たしてなんなのか、人によってそれぞれかと思いますが、これを変えてしまったら「Shadowverse」ではなくなってしまうものは何かを決めて開発していました。いくつかのプロトタイプができてテストプレイをしているとき、結構面白いといえる状態までできていて、これでカードの能力を詰めていけばいけるのではないかと伝えると八十岡さんが「今のルールだとShadowverseを無理なくアナログに落とし込めていてそれなりに面白くはなりますよ」と答えました。

そこではっとしました。「それなりに面白い」では全然ダメだと、少なくとも「絶対に面白い」レベルではないと作るべきではないと。それを八十岡さんは既に見抜いていました。

そこで方針を転換し、残すべき要素の条件をほとんどなくし開発をし直しました。結果として攻撃のルールに変更が加えられ、進化権はなくなり、全てのフォロワーは進化せず、特定のフォロワーが進化できる、EVOLVEというシステムとなりました。

私たちはこのEVOLVEシステムと、「Shadowverse」をアナログカードゲームにただ最適化するのではなくアナログカードゲームとしての進化をさせ新しい「Shadowverse」を作ることを意味しこのゲームを「Shadowverse EVOLVE」と名付けました。

さらに「EVOLVE」ではアナログカードゲームがリアルでのコミュニケーションゲームであることを意識して新システム「クイック」を導入しています。

実際初心者講習会で先行プレイした「Shadowverse」ユーザーの皆さんからは「Shadowverse」でありながらアナログカードゲームとして面白いと好評いただき今は安堵もしています。

また、昨今ではよりカジュアルで多人数でのボードゲーム的な遊び方も楽しまれていると感じています。勘のいい方は既に気づかれているようですが、そのような遊び方が後々できるように「EVOLVE」ではリーダーやフォロワーへの対象の影響範囲を多人数で遊べる形で記載してあります。

現在、開発側では多人数戦におけるルールは策定していません。カードプールが狭い間はなかなかうまくいかないかもしれませんがユーザーの皆さんで自由にルールを作って遊んでいただけると嬉しいです。

クラスを混ぜたりルールを自由に決めて遊べるのもアナログカードゲームの良さだと思います。もしこのルールは面白い等あればSNSや動画で発信していただければ嬉しいです。今後の参考にさせてもらえればと思います。

 

プレイヤーの皆さん、カードショップの皆さんと一緒に

私自身、学生の頃からアナログのカードゲームをプレイしていてカードショップさんには大変お世話になりました。

カードショップという場がなければカードゲームをずっと続けられなかっただろうと思いますし、「Shadowverse」や「EVOLVE」も生まれることはありませんでした。この場を借りてお礼を言わせてください。カードショップでカードゲームを遊ぶことは、デジタルゲームとは違った魅力や、面白さがあります。壁一面に張られたシングルカードの価格表をみるといつもワクワクしていました、学校帰りに横目でみていたショップの大会に、友達に託されたデッキを持って勇気を出して初めて参加したのを今でも鮮明に覚えています。今回、いちカードゲーマーとしてより多くの人にこのような楽しさを知ってもらえる機会になればと思っています。また今回視察という形で多くのカードショップさんを訪ねましたが、「EVOLVE」の魅力を多くの人に伝え、遊んでもらうのには私たちだけでは力不足でプレイヤーさんと直接の接点があるカードショップの皆さんにかかっていると確信しています。カードゲームの裾野を広げてさらに盛り上げたいと考えておりますので、皆さんのお力を是非お貸しください。

そして、今回交流会という形でカジュアルに対戦や交流を楽しめるイベントを全国のカードショップさんのご協力で実施できることになりました。近くで一緒にカードゲームをする仲間を見つけるのに最適な場になると思っていますので是非参加してみてください。

「EVOLVE」は「Shadowverse」というアプリが元にあるものの、新しいカードゲームとして初めてカードゲームをプレイする人が多くいると考え、このような機会を積極的に作っていければと考えています。

 

長くなりましたが最後に、これからプレイしようと思っている皆さんの期待を裏切らないよう全力で開発・運営してまいります。発売されたら是非、色々な意見や感想、遊び方などSNSや動画で発信していただけると開発の参考や励みになりとても嬉しいです。カードショップの皆さん、アナログカードゲーム業界では新参者ではありますが、デジタルゲームで培ってきた運営のノウハウを活かして業界の発展に寄与したいと考えております。末永いお付き合いを何卒よろしくお願いいたします。これから「EVOLVE」という新たなShadowverseを皆さんと一緒に作り上げていければと思っています。

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